2年間の都市計画大学院での勉強も、そろそろ終わりに近づいてきました。最終学期に、中途半端に残った1単位を、この個人プロジェクトに当てました。論文とは別の、私の大学院での2年間の勉強の集大成という感じでしょうか。2年間をかけて、ようやく全体像を理解した、アメリカン・リベラル型都市計画の概観、シアトル都市圏での具体的な政策の内容を、きゅっと纏めて書き上げました。文章はすべて日本語です。日本で都市計画や不動産にかかわる方々に向けて、シアトルの都市計画モデルを紹介する意図で書いています。最終章では、シアトル・モデルの日本への応用性についても触れました。

シアトルのモデルを含むアメリカン・リベラル型の都市計画は、民間の不動産開発を、地方自治と市民が決めた都市成長パターンに誘導していく形態のものです。日本もシアトルも、都市成長の原動力はマーケット主導の開発であるという点では、同じです。その点で、自治主導や住民共同体で開発を行う公共投資型の北欧などの都市計画よりも、シアトル・モデルは日本に近いといえます。しかし、日本の都市成長は、シアトル以外の他の先進諸国の都市と比較しても、多分にマーケットに委ねられており、自治体による成長管理が非常に薄いと言えます。日本の自治体に対して、シアトルのように、コンパクト・シティの発想で積極的な都市成長パターンの誘導を行うべきだというのが、私の本文の主張になっています。

不動産は、その公共性、外部性の高さ、価格調整による市場原理が働きにくいという背景から、米国のように自由経済が重視される国でも、不動産への行政介入は大幅に理解されています。行政による健全な都市開発の成長管理は、都市景観や美しい田園・森林風景を保護するのみでなく、貧困問題、エネルギー問題、震災への防備、治安維持、市民の心身の健康と、諸々の分野へ繋がっていきます。もちろん、管理が行き過ぎる事での弊害もあります。例えば、必要以上のコードとデザインレビューが不動産の効率的な供給を阻害してしまうだとか、街並みが単調になってしまうなどという点は批判を受けやすい部分です。バランスは必要で、そうした意味でも、シアトルのモデルは25年間をかけて、改善されながら今に至り、そして現在でも常に時代に合わせた改定がなされていています。

大学院での勉強は、解説を受けるような授業は殆どなく、オープン・エンディッドな質問が出されて、「この本と、この資料を読んで考えておいて~」というような課題を次々にこなしていくうちに、ようやく自分なりの理解を得てきたような感じです。沢山の睡眠時間、子供たちや主人と過ごすべき時間、そして結婚前の貯金の殆どを費やして(!!)、やっとここまでの自分なりの見解を得ました。

卒業後は、シアトルの地元の行政かノン・プロフィット、もしくはローカル・コンサルティングで職が得られればと思っていますが、このように、日本に向けて、シアトル型/アメリカン・リベラル型の都市計画の情報を発信していく活動も続けられればと考えています。

この文章が、少しでも、日本の都市のより良い将来に役立てばという願いをこめて。

SeattleModelToJapan

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*文章引用の場合は、正当な引用言及をおねがいします。

3 Responses to シアトル都市圏における地方行政と都市成長管理
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